こんにちは。
五月人形・雛人形と木のおもちゃ・寿月すみたやです。
日中は日差しの強い日もありますが、朝夕はすっかり秋らしくなりましたね。
肌寒さを感じるようになるにつれ、寿月すみたやではお節句に向けての準備が整いつつあります。
10月中旬からは、2018年度の羽子板・破魔弓のお正月飾りと雛人形新作ご予約会を店内1、2階展示場をフルに使って開催致します。
それに先駆けて、明日2017年9月23日から10月1日までは、店内1階特設コーナーにて「重陽の節句・後の雛展」を開催し、大人の女性の観賞にたえうるおひなさまを展示致します。
重陽(ちょうよう)の節句は別名「菊の節句」とも呼ばれ、中国より伝わった「五節句」のひとつです。
三月三日の雛まつり、五月五日の端午の節句、七月七日の七夕などは良く知られていますが、旧暦の九月九日にあたる「重陽の節句」は、現代ではあまり知られていません。
もともと中国では奇数は縁起の良い「陽の数字」とされ、一年の内で奇数が重なる日は幸多い日と考えられていました。その中でも一番大きな陽の数である「9」が重なる九月九日を「重陽」と呼び、「菊の節句」として伝えられたのが重陽の節句の始まりです。
現代の暦では九月九日は、まだまだ夏の延長ですが、旧暦の九月九日は現代の十月中旬頃に当たるため、その時期に咲き誇っていた「菊」の花が、三月三日の桃の花や五月五日の菖蒲のように重陽の節句のシンボルと考えられるようになったのでしょう。
菊は優れた薬効を持つ植物として中国では古くから知られていました。その情報が海を渡って日本の平安貴族に広まり、季節の年中行事として定着していったのです。
そして、日本の四季を彩る「五節句」のひとつとなった、「重陽の節句」は、江戸時代になると菊の花を飾ったり、菊を浮かべたお酒を酌み交わすなどして庶民の間で親しまれるようになりました。
特に、戸外に咲く菊の花に綿を被せて一晩置くことで、綿に菊の香りのする夜露を染み込ませ、翌朝この綿で肌を拭って菊の薬効を身体に集めた「菊の被綿(きせわた)」という風習は広く人気を集めたようです。
そして江戸庶民の間では、梅雨時を経て湿気をはらんだ雛人形を虫干しを兼ねて再び飾る「後の雛(のちのひな)」という風習が同時に生ました。
菊を愛で、菊酒を酌み交わし、菊のきせわたで身体を清めて健康を祈願するという風情のある行事を通して、そこに雛人形の華やかな姿を眺めて心を潤すという「ゆとり」を求めたのかもしれません。
重陽の節句は長寿と健康を願う行事でしたので、女性にとって幸せの象徴であり、貴重な存在であった雛人形を、自身の幸せを祈って今一度飾るという行為が、当時の女性たちに受け入れられ浸透していったものと思われます。
そんな日本の伝統行事である「重陽の節句・のちの雛まつり」が、自らの健康を祈って、自分のためにおひなさまを飾って楽しむ「大人のための雛まつり」として近年注目されています。
三月三日の桃の節句と異なり、「後の雛まつり」は大人が自分のために雛人形を楽しむひとときですので、おひなさまの飾り方に「決められた形」はありません。
男雛、女雛のお人形二体を床の間や箪笥、ベッドサイドに飾り、花瓶に生けた菊の花を飾るだけでも心が和み楽しい気分になると思います。
しばらく押入れに仕舞いこんだままだった、ご自分のおひなさまを久しぶりに出して飾ってみてもウキウキされるのではないでしょうか。
10から12月の雛人形ご予約会、1〜2月の雛人形名品展に比べて、こじんまりとした展示会ではございますが、春とは異なったおひなさまの趣を楽しみにお越しください。
お部屋のちょっとしたインテリアとしてお飾り頂ける、オリジナルの「吊るし鞠飾り」や、つるしびなのパーツ小物も同時に展示販売しております。
お散歩がてらにぷらっとお立ち寄り頂ければ幸いです。
営業時間は9時30分より18時。水曜日は定休日となります。
10月2日からは順次、雛人形ご予約会へ展示移動させて頂きます。
皆様のご来店をお待ちしております。
お車でご来店の際は、当店西側の専用駐車場のほか、当店南隣りの大手門パークさんなど近隣の有料駐車場もご利用ください。
寿月すみたやへのアクセス、駐車場のご案内につきましては下記をご覧ください。
<寿月すみたやへのアクセス・駐車場のご案内>
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